本牧緑ヶ丘町内会

本牧緑ヶ丘町内会の広報・意見交換の場です。

「2024年6月22日防火・防災体験会」報告

2024年6月22日

防火・防災体験会報告

                          情報管理部長 根本正一

先般、横浜市消防局の主催により、各自治会・町内会を対象とした「防火・防災体験会」に参加。会場は、横浜駅に近い横浜市民防災センター。同センターでは大地震や火事、風水害被害などを疑似体験することができ、市民がそこからどう身を守るか講座を含めて指南している。そこで学んだ成果を以下にまとめる。
横浜市民防災センターは、個人でも入館OK。入館料無料。事前予約がベター。

 横浜市内はビル・住宅が建て込んでいるため、断層の状況が正確に把握できず、目に見えない断層が多く存在すると推測されている。横浜市では同地域を襲った最大震度7と想定される元禄地震(1703年)規模の地震が再び襲ってきた場合、市内の死者約3200人、負傷者2万人以上、倒壊家屋(全半壊含め)約13万棟、焼失家屋約8万棟の被害が出ると試算している。
 
地震シミュレーター】
震度7の揺れと、実際にあった阪神・淡路大震災(1995年)の揺れを実体験。前面には倒れ来る家具やビルなどの映像が流れ、怖さを実感する。

 

 

■もしこんな場所で大地震が起きたら……
何よりも自助、自分の身を守ることに専念すること。家族や近隣の心配が先に立っても、自らが怪我してしまったらそれもできないから。
・自宅(屋内)
まずはクッションなどで頭を保護し、テーブル下に隠れるなど身を守る行動を。電気のブレーカーを落とすのは、地震が収まってからでよい(停電してもブレーカーを落とさないままだと、通電火災が起きる例が多発しているので要注意)。それからドアや窓を開けるなど出口を確保し、避難準備を進める。
・エレベーター
全ての階のボタンを押し、止まった階で様子を見て降りる。閉じ込められたら、非常ボタンやインターホンで連絡を取る努力をし、救助を待つ。避難時にはエレベーターは使わない。
・電車・バス
手すりや吊革にしっかりつかまり、カバンなどで頭を保護する。勝手に降車せず、乗務員の指示に従って行動する。
・車
急ブレーキをかけず、ハンドルをしっかり握りながらスピードを落とし、道路の左脇に駐車する。エンジンを切り、揺れが収まるまで車内に留まり、カーラジオなどで情報を得る。緊急移動に備え、車を離れる時はキーはつけたままにし、窓は閉めてドアロックはしない。
・地下街
 慌てて地上に出ようとしない(階段に人が殺到して逆に被害に遭う)。柱や壁際に身を寄せ、揺れが収まるのを待つ(停電しても、暫くして非常灯がつく)。火災が起きたら、ハンカチなどで口と鼻を覆い、低い姿勢を保つ。津波の恐れのある時も含め、係員の指示に従う。
・屋外
塀や電柱、看板など倒れやすい、落ちてきやすい場所から離れる。垂れ下がっている電線やガス臭い場所、泥水が噴き出したり地割れを起こしている場所には近づかない。
・丘陵地・山の近く
まずは落石に注意。余震でがけ崩れや地滑りが起きる可能性があり、斜面やがけから素早く避難する。

【火災シミュレーター】
初期消火の際の消火器の使い方を学ぶとともに、煙の充満する部屋からの避難行動を体験する。

 


天ぷら油が燃え広がった場合を想定した消火体験。手順は、
1、「火事だ~」と叫ぶ
2、安全ピンを抜く
3、ホースを取る
4、レバーをぎゅっと握り、煙を出す
※既に火が燃え広がっている際には、初期消火は諦め避難を優先する。

部屋に煙が充満した際には、煙を吸った瞬間に一酸化炭素により2~3秒で死んでしまう。早めに逃げることが肝要。避難には煙と停電で真っ暗なことが多く、
1、姿勢を低く保つ
2、タオルやハンカチで口と鼻を覆う
3、片手で壁を探りながら、出口へと急ぐ
※ビル等には非常口や誘導灯のマークが多くあり、常にそれを確認しておく。

【風水害体験ツアー】
前面が川、背後ががけの自宅にいて、「風水害警戒レベル4」が発令された状況でどう行動するかを実際に体験してみる。集中豪雨や台風などによって、水害や土砂災害の発生の恐れからどう身を守るか。

 


「警戒レベル4」は「危険な場所にいる人は全員避難」という避難指示。正解は、すぐさま屋外への避難。二階が安全とは限らない。避難において「絶対」はない。
※自分の住んでいる地域のハザードマップの確認を。ハザードマップは、自分の住んでいる地域で台風・大雨が起きた場合にどのような危険があるか、災害が起きた際にどこに避難するかを地図にまとめている(体験ツアーでは室内にハザードマップが張ってあったが、誰も見ていない)。
※避難時にリュック一つで逃げ出せるよう、必要最低限のものを詰めた非常持出品を用意しておくこと。
【地域における消火活動講習】
地震などが起きた際、火災の延焼を防ぐために地域一丸となった消火活動をスタンドパイプ式初期消火器具の取り扱いを学ぶ。路上の消火栓を開け、スタンドパイプを取り付け、ホースをつなぎ、放水するまで(消防車が駆けつけて本格消火に当たるまでのつなぎの役割)。

 

 

※同消火器具を使うには3人以上が必要
1、消火栓を開け閉めする人
2、ホースの筒先を持って放水する人
3、筒先を持つ補助係
4人目がいたら、消火栓と筒先の伝令係
※地域での訓練は、消防団員の立ち合いのもと行うこと

【救命講習】
路上などで人が倒れている場合に、それを発見したらどうその命を救うか。

 

 

その手順は、
1、周囲の安全確認。落下物がないか、車の往来は大丈夫か……
2、倒れている人の意識の有無確認。体を揺すって、「大丈夫ですか」と大きな声をかける
3、周囲の他の人間の助けを求める。「誰か助けてください」
4、倒れている人の呼吸の確認。腹や胸は動いているか、不規則呼吸があるかどうか。10秒程度で確認する
5、119番通報し、口頭で説明。場所をきちんと特定すること。
6、胸骨圧迫とAED自動体外式除細動器)による応急処置
胸骨圧迫は掌の甲の硬い部分を使い、胸骨の上から両手で中断なく5~6㌢(大人の場合)沈み込むまで押し続ける(ベッドの上など軟らかい場所は避ける)。重労働なので、交代で行う。胸骨圧迫30回につき、人工呼吸を2回行うと効果的。
AEDは図解(イラスト)付の説明書や、音声ガイダンスの指示に従う。電源を入れ、パッド(2枚)を素肌から装着(外傷部分は避け、服を切り取っても構わない)、心電図解析の間は体に障らない。