本牧緑ヶ丘町内会

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「リサイクルポート山ノ内」見学会報告

「リサイクルポート山ノ内」見学会報告

――資源ごみの循環を学ぶ。そして分別の要点は?

 

我が本牧緑ヶ丘町内会を含む中区消費生活推進員第4地区南部は去る10月26日、資源ごみを回収して再利用・再資源化する「リサイクルポート山ノ内」の施設見学会を実施しました。そこで古布・古紙といった資源ごみがどう処理されているか実地に見学するとともに、座学では家庭から出る諸々のごみを具体的にどう分別するか体験して学びました。その趣旨をここに報告します。

                      文責:消費生活推進員 根本正一

 

まず、我々消費者が直接関わる家庭ごみを横浜市がどう分類して、それぞれのごみがどれに当てはまるか、我々参加者は個々に諸々のごみを受け取って分別してみましたが、意外に盲点もあってなかなか難しいものです。今回学んだ分別の要点から述べます。我々消費者がごみ分別のルールをきちんと守ることで、その回収から再利用・再資源化のシステムがどれだけ効率的に行われるか気づかされました。

 

選別機の前で。古紙には不純物も諸々混じっていて、人間の目での選別も必要になる

座学では実際にごみの分別を試みるも、意外に盲点が多い

横浜市のごみ分類とその注意点】

■燃やすごみ――団扇やハンガーなどは、プラスチック製でも燃やすごみに。紙マークのついているカップヌードルや、中に銀紙の付いた牛乳パックなどコーティングされている物も同様

■プラスチック製包装容器――プラマークがついているものが対象。ペットボトルのキャップとラベルは分けてここプラゴミに。

■缶・びん・ペットボトル

■燃えないゴミ――湯飲み、化粧品びん、薬品びんなどを含む

■小さな金属類――30㌢以内の物が対象。フライパンなどを含む(持ち手は長さに含まない)。キャップ類も金属製の物はここに

■スプレー缶

■古布―― 一枚でできていて、中に羽毛など詰め物のない物。雨の日は出さない

■新聞――ビニールよりも紙紐で結ぶのがベター。折込チラシ程度は一緒に出してもOK

■雑誌――紙袋に入れて

■段ボール――全て畳んで束ねて出す。箱状の段ボールに、畳んだ段ボールを刺してまとめない

■紙パック――紙パックマークのついている物が対象。中に銀のアルミコーティングされているものは燃やすごみへ

■その他の紙――トイレットペーパーの芯など。臭いや油の付着がなく、湿気防止などのコーティングがされていない、紙だけの状態の物

 

※リサイクルマーク

 

【その他の注意点】

※「これはどこ?」と迷ったら燃やすごみに

※髭剃り、ボールペンなど複数の素材を使っている物は、素材の比率の多さで判断

※分別方法は逐次変わっていくので、定期的に横浜市の動向のチェックを

※具体的に何をどこに出すかは、横浜市の「ごみと資源物の出し方一覧表」を参照ください

 

横浜市ごみ分別辞典「MIctionary(ミクショナリー)」 | ごみと資源物の出し方一覧表 (yokohama.lg.jp)

 

■「リサイクルポート山ノ内」:リサイクル事業を行う民間の88業者の集まった横浜市資源リサイクル事業協同組合が運営。古布・古紙といった資源ごみのリユース(再利用)・リサイクル(再資源化)に特化して選別作業などを行い、出荷している。市の指定問屋登録を受け、ごみの削減に伴う温室効果ガス排出量の減少に資するべく、資源ごみの分別・リサイクルを促進する市の「ヨコハマ3R夢(スリム)プラン」の一翼を担う。

 

【「リサイクルポート山ノ内」の事業内容】

 「リサイクルポート山ノ内」には、まず横浜市内の家庭や事業所から出された古紙や古布がトラックで運ばれ、ヤードで保管されます。

 古布はトレーナーやジーンズ、ワイシャツなど200種類以上に及び、故繊維問屋へ持ち込まれて選別されてからリユース(再利用)のために国内及び海外へと出荷されます。うち50%が東南アジアを中心に輸出され、20%は軍手などに使われ、20%は工業用雑巾としてメーカーに、残り10%が破棄ときめ細かく分かれます。

古紙は新聞、雑誌、段ボール、紙パック、シュレッダーから成り、それぞれの用途でリサイクル(再資源化)されます。ここではその再資源化に伴う中間処理を担っています。その過程で厄介なのが不適物の取り除き作業で、基本的には重機やベルトコンベヤーによる選別機で作業を行っていますが、それでは細かな不純物が残ってしまい、ここは人間の目で識別するという極めて困難な作業を伴っています。その作業効率化のためにも、我々消費者側がごみ分別の際にきめ細かい気配りが求められる所以です。その上で古紙は圧縮梱包されて、リサイクル用に国内及び海外へと出荷されていきます。

「リサイクルポート山ノ内」では、「皆さんは消費者であるばかりでなく、資源物の生産者でもあることも意識して、より良い環境でごみを出していただけるよう」と訴えています。

 

【資源ごみを巡る現状】

一般廃棄物処理基本計画を策定している横浜市は、市内のごみを30%減らそうと進めてきた「横浜G30プラン」の推進により、すでに目標を上回る43%のゴミ削減に成功しています。そこで、社会はReduce(ごみの発生抑制)からReuse(再利用)、Recycle(再資源化)へと舵を切っています。横浜市の現基本計画「ヨコハマ3R夢(スリム)プラン」では、資源ごみの分別・リサイクルを促進することに重点を置いています。例えば、古紙再生促進センターの調査では、全国規模で紙の消費量に対する古紙の回収率は80.3%(22年度)と、繊維原料のうち古紙が占める利用率66.3%(同)を上回っており、リサイクルへの意識がいかに高まっているかが窺えます。