本牧緑ヶ丘町内会

本牧緑ヶ丘町内会の広報・意見交換の場です。

市動物愛護センター見学会報告

お知らせしていました市動物愛護センター見学会が先週実施され、その報告が消費生活推進委員の根本さんから届きました。 参加できなかった方にもとてもご興味ありそうな写真入り記事を下に添付します。

本記事内で出てきます災害時のペット対策については本牧緑ヶ丘町内会として中区の災害時ペット対策を考える会に設立初回から参画し、大鳥小と地域との具体的連携まで進展しています。地域猫についても町内会で具体的に対策をしています。前出記事「大鳥小拠点ペットの災害対策を考える会」を 町内の地域猫対策」 のURLをリンクしますので、合わせて参考にしてください。

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 「地域猫活動」や災害時対応など、地域のペット問題を学ぶ

 

                         消費生活推進員 根本正一

 

 本牧・根岸地区で構成する中区消費生活推進員第4地区南部は、去る8月21日、「ペットとの共生社会を目指して」とのテーマのもと、横浜市動物愛護センターの施設見学会を実施しました。見学会には、我が本牧緑ヶ丘町内会を中心に12名が参加、犬や猫が家族の一員と同様の昨今においてペットを取り巻く社会情勢について学びました。

 

講習会では動物愛護センターの業務や保護犬・猫の収容状況などについて学んだ

 

 我が町内会近くの本牧山頂公園では、毎朝・夕、犬を連れて散歩している人々の姿を多く見かけます。新型コロナによる自粛生活が長く続くなかで寂しさを紛らすためか、ペットを飼う家庭が増えているとのことです。しかし、安易な気持ちでペットを飼ったがために慣れない飼育に嫌気がさし、途中で投げ出してしまう飼い主も増えています。

 

 横浜市動物愛護センターは、JR横浜線鴨居駅から丘を登った神奈川区内にあります。世の中には飼い主が飼育を放棄する例もあれば、飼い主からはぐれてしまう犬・猫も多くいます。現在、市動物愛護センターには猫が70頭ほど、犬は10頭ほど収容されているとのことです。動物愛護センターはそうした犬・猫等を保護して引き取り、飼い主に返せることもあります。それが不可能な場合には新たな飼い主を求めて譲渡できる態勢を施設内で整えています。迷い犬・猫が飼い主に戻るには首の後ろに注入するマイクロチップが役立っていると言い、市動物愛護センターもそれを推奨しています。

 

 動物愛護センターでは保護犬・猫の健康チェックから始まり、不妊・去勢手術とともに飼い主に上手くなつくよう手名付けるよう訓練します。攻撃性が強かったり、抱かれるのを嫌がったりする保護犬・猫も結構いると言います。そうした保護犬・猫を人間と共生できるよう馴らす協力団体が、市動物愛護センターには30ほど登録しています。保護犬・猫の譲渡には飼い主との相性を確かめるべく面談が用意されていますが、飼い主が高齢者だったりするとペットより早く亡くなることも考慮して、動物愛護センター側では必ず飼育協力者を決めてもらうことにしています。

 

 今回の施設見学会では市動物愛護センターの愛護推進係長(獣医)の講義を聞いたうえで、猫の生活を観察できる「猫の家」などセンター内を案内してもらいました。ドッグダンスなどを教える「飼育体験実習室」というのもあります。

 

猫の生活を観察できる「猫の家」

 

 そのなかで、地域社会に投げかけられている問題も浮かび上がりました。市動物愛護センターにはペットの放し飼いや糞尿被害、鳴き声被害といった相談が絶えないと言います。また、「地域で管理されている野良猫」を指す地域猫活動や、大地震などの被災時にペットの避難場所をどう設けるかなど、なかなか見解が分かれそうな問題も多くあることに気づかされました。地域ご全体が納得いくルールづくりが求められています。

 

 動物愛護センターについては、「ガス室を使うとか、むやみやたらに殺処分にしている」との認識も多いようです。その点に関しては、市動物愛護センターからは「重度の怪我や感染症の高い病気に罹っていたり、発育不全や衰弱が激しい場合、また余りにも攻撃的でとても譲渡に耐えない場合に限って、麻酔を使ったりして苦しまず死ねるよう致死処分を行うことはあり得る」との説明でした。

 

参加者からは「飼い主側の感情ではなく、ペットのペースに合わせて、家族として迎え入れる精神を学んだ」「明るく清潔で、前向きなセンターの姿勢が理解できた」など、動物愛護センターへの認識を新たにした声が多く聞かれました。市動物愛護センター側は「センターに収容される犬・猫の数を減らすことが、我々の最大の使命」と、飼い主の責任と地域ぐるみの対応を訴えます。

 

災害時のペット対策は地域ぐるみで考えなければならない問題だ

 

 我々、市消費生活推進員は、安全でより良い消費生活をサポートすべく、定期的に講習会・見学会などのイベントを開催しております。町内会の皆様には、今後とも地域全体の消費生活向上に向けてご協力くださるようお願い申し上げます。